データを視覚的にわかりやすく整理したり提示したりする際に役立つのが、グラフです。「棒グラフ」や「円グラフ」などさまざまな種類がありますが、扱うデータや利用シーンによって適切に使い分けることで、相手にわかりやすく情報を伝える武器になります。
この記事では、代表的なグラフの種類と使い分けるためのポイント、グラフ作成時の注意点を解説します。
おさえておきたい「グラフの要素」
グラフの種類は知っていても、例えば「プロットエリア」「凡例」など、「グラフを構成する要素についてはなんとなくしかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
本章ではまず、そもそもグラフがどのような要素から構成されているのか紹介します。
グラフエリア | グラフ全体の領域 |
---|---|
プロットエリア | グラフそのものが表示されている領域 |
グラフのタイトル | グラフ上部に記載される見出し |
軸ラベル |
|
縦軸・横軸 |
※横棒グラフの場合、逆になる |
凡例 |
|
データ系列 | グラフにプロットされるデータの集まり |
データラベル | 数値や系列名など、データの内容を示す |
目盛線 | 数値や系列名など、データの内容を示す |
引用:気象庁「東京(東京都)日平均気温の月平均値(℃)」
代表的な6つのグラフとは?それぞれの特徴と利用シーンを解説
そもそもグラフとは、2つ以上のデータの相対的関係を表す図のことを指します。数値を羅列するだけではわかりづらいデータを、視覚的に把握しやすくすることを目的とします。
グラフを構成する要素は先述の通りですが、視覚化するための方法はシンプルで、「点」「線」「面」の3つをベースに作成します。とはいえ、一口に「グラフ」と言っても、活用目的によって、適したグラフは異なります。情報を正確に伝えるためにどのグラフが最適か、本章では各グラフの特徴や利用シーンについて紹介します。
棒グラフ|データの大小を比較する
棒グラフは、量の大小を、棒の高さであらわすグラフです。一般的に、大きい順や時系列順に並べるとみやすいとされています。データの分布や散らばり具合を表すヒストグラムも、棒グラフの一種です。
量の大小を表わす場合に向いており、連続性がないデータの比較に最適です。例えば部門別の売上を比較したり、各教科ごとの平均点を比較したりと、同じ観点から複数のデータを比較する際に活用されます。比較したい項目名が長いときには横型を使うと読みやすくなります。
円グラフ|全体の割合を見る
円グラフは、全体が100%で構成されています。グラフの中央を空洞にした、ドーナツ型の円グラフもよく使われます。円グラフを作成する際には、データの大きい順から時計回りに並べて示すことが基本です。
市場のシェアやアンケートの回答結果など、各要素が占める割合や内訳を表す際に活用されます。割合が少ないデータは「その他」としてまとめることで、より見やすいグラフとなります。
折れ線グラフ|時系列で変化を追う
折れ線グラフは、時系列に沿った数量の変化を表すときに使われることが多いグラフです。線の傾きにより、増減を表しており、グラフの横軸は基本的に「年」や「月」など時間となっています。
データの増減にあわせて、関連する要素がどのように変化しているかを示したい時や、売上や人口比などを時系列で変化を示したい時に活用されます。
帯グラフ|構成比の変化を捉える
帯グラフとは、帯全体を100%としてカテゴリ別に帯状の比率を示すグラフです。クロス集計表で群ごとの割合を比較することに向いています。また、円グラフ同様、各項目の構成比を表すのにも適しています。
時系列での推移を整理しやすいため、例えば年代別の就業者数の推移を示したり、一日の勉強時間の内訳を示したりする際に活用できます。
散布図|2つの要素の関係性を見る
散布図は、2つのデータの相関を見るのに適したグラフです。縦軸と横軸に値をとり、データを当てはめるところにプロットされるため、要素間の相関、トレンド、外れ値を視覚的に把握できるのが特徴です。
例えば、年齢と収入の関係性や、気温とアイスクリームの売上の関係性などを示す時に活用されます。
レーダーチャート|複数の観点から評価する
レーダーチャートは、項目の数に合わせた正多角形で出来ているグラフです。各頂点がそれぞれの項目に対応しており、中心を0として各頂点を線で結ぶことで、各要素のバランスが一目瞭然になります。
1つの項目に対して複数の要素を踏まえて特性を評価できるだけでなく、異なる観点からの点数付けや評価も可能です。例えば体力測定の結果を項目別に示し、全体平均との比較を行ったり、強みや弱みを把握し、活動の改善に活かしたりできます。
【初心者必見】グラフを作成する際の注意点
「どのグラフを使えばよいかはわかったけれど、思うようなグラフが出来上がらない」という方もいるかもしれません。
そこで最後に、グラフを作成する際に意識したいポイントを5つ紹介します。
- グラフ作成の目的に合致したグラフを選択する
- 目盛り間隔はデータの大きさに応じて決定する
- データの並び順も工夫する
- 要素は最低限に
- 過度な装飾は行わない
グラフ作成の目的に合致したグラフを選択する
グラフで言いたいこと、強調したい数値に応じ、適切なグラフを選択するようにしましょう。例えば、データの大小の比較をしたい際には、円グラフよりも棒グラフのほうが適しています。
このとき、対象となるデータ数やデータ変化の有無も考慮することで、より最適なグラフを選ぶことができます。
目盛り間隔はデータの大きさに応じて決定する
グラフから数値の意味を正確に読み取るために重要なのが、「目盛」「単位」「凡例」の3点です。特に、目盛りはデータの大きさによって最適な間隔が異なります。間隔が広すぎる、もしくは狭すぎると、データの推移が正しく読み取れないことやグラフ内の情報が煩雑になる恐れがあります。
例えば、小さな数値範囲内でデータの変化をわかりやすく表現したい場合は、グラフの目盛間隔を縮小すると見やすくなります。
データの並び順も工夫する
データの並び順を工夫することも、データの意味や傾向をわかりやすく伝えるうえで重要なポイントです。
例えば、時系列や五十音順、カテゴリ別など、何を強調したいかによって、視覚的にも把握しやすくなるだけでなく、分析もやりやすくなります。推移や関連性など、どこを強調したいかを意識することが大切です。
要素は最低限に
情報を詰め込みすぎると、どの情報に注目すべきかわからなくなります。そのため、グラフに入れ込む要素は最低限に留めるようにしてください。
大切なことは、必要な情報が直観的に伝わるようにすることです。場合によりますが、載せなくても正しく情報が伝わるならば、例えば補助線などは省いても構いません。ただ、棒グラフの途中を破線で省略するのは、作為的にとらえられる懸念もあるため、避けたほうがよいです。
過度な装飾は行わない
見やすさを確保し、グラフ全体の統一感を出すためにも、色や線の種類を増やしたり、3D化などの装飾を入れたりすることもなるべく避けたほうがよいです。
まとめ|グラフの種類を使い分けて分析・資料作成に役立てる
2つ以上のデータの相対的関係を視覚的に表すグラフは、数字の羅列だけでは伝えづらいデータをわかりやすく伝えたりまとめたりする際に効果的です。
代表的なグラフには棒グラフや円グラフがありますが、それぞれ見せ方の強みや向いている利用シーンが異なるため、「何を伝えたいか」に合わせて使い分けることが重要です。
データの意図を適切に伝えることができれば、スムーズな意思決定にも役立ちます。扱う要素やデータの並び順、装飾度合いなど、本記事で紹介したポイントを意識し、より見やすいグラフの作成に役立ててください。
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よくある質問
Q1.グラフには、例えばどのようなものがある? |
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グラフの種類はさまざまありますが、例えば「棒グラフ」「円グラフ」「折れ線グラフ」「帯グラフ」「散布図」「レーダーチャート」があります。 詳しくは、「代表的な6つのグラフとは?それぞれの特徴と利用シーンを解説」の節をご覧ください。 |
Q2.グラフを作成する時の注意点は? |
以下の5点を意識することで、より理解しやすいグラフを作成できます。
詳しくは、「【初心者必見】グラフを作成する際の注意点」の節をご覧ください。 |