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カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは|ブランド想起の入口を広げる方法を紹介

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは|ブランド想起の入口を広げる方法を紹介

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、商品やサービスを購入しようと思ったときにブランドを想起するきっかけやヒントのことです。ブランドは多くのイメージを有していますが、逆にイメージを起点に考えた時にブランドが想起されるかが問われます。

「自社サービスの売上をもっと伸ばしたい」「ペルソナにマッチするようなブランディングをしているものの、なかなか成果が出ない」といった課題を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。

カテゴリーエントリーポイントを増やせば、顧客が商品やサービスを「買いたい」と思った時に選択肢に上がりやすくなるため、顧客との接触回数の増加や売上の拡大が見込めます。

本記事では、カテゴリーエントリーポイントを自社のブランディングに活用できるよう、カテゴリーエントリーポイントを増やすメリットや見つけ方、有効活用のポイントを紹介します。

カテゴリーエントリーポイントとは

カテゴリーエントリーポイント(出勤前/寒い冬の外出時/作業中の眠気覚まし)→缶コーヒー(ブランドA/ブランドB/ブランドC)

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、商品やサービスを購入しようと思ったときにブランドを想起するきっかけやヒントです。

たとえば「缶コーヒー」を例に考えてみましょう。

「朝の出勤前に手軽に飲みたいから、駅前にあるコンビニAの缶コーヒーを飲もう」という人もいれば、「作業を進めたいが眠気が辛い。コンビニBの缶コーヒーを買いに行こう」という人もいるかもしれません。「缶コーヒー」という同じカテゴリー内でも、人それぞれ想起のきっかけは異なります。この場合、コンビニAにとっては「朝の出勤前」、喫茶店Bにとっては「作業中の眠気覚まし」がカテゴリーエントリーポイントとなります。

つまり、場所や時間、ターゲット、シチュエーションなど、商品やサービスを「買いたい」と思った時にブランドと結びついたイメージこそが、カテゴリーエントリーポイントなのです。

カテゴリーエントリーポイントを増やす3つのメリット

カテゴリーエントリーポイントが多いと、自社商品・サービスにとって良い影響を及ぼします。本章では、カテゴリーエントリーポイントを増やすことで得られる3つのメリットを解説します。

1.幅広い顧客をターゲットにできる

カテゴリーエントリーポイントが多いほど、多くの顧客に想起される可能性が高くなります。

たとえば、「手帳」をカテゴリーの例として考えてみましょう。カテゴリーエントリーポイントが「スケジュール管理」のみだと、ニーズと直結する部分が少ないため、顧客も絞られてしまいます。しかし「小さな鞄でも入るサイズ」「カバーの色が複数あり、自分好みのものを選べる」「土曜始まり、日曜始まりなど使い方にあわせて中身を選べる」など、多くのカテゴリーエントリーポイントがあれば、顧客の幅が広がりやすくなります。

カテゴリーという大きな枠の中で、多面的にカテゴリーエントリーポイントを作り出すことができれば、想起される回数が増え、幅広い顧客をターゲットにできます。

2.顧客との接触回数が増えるため、購入機会を増やせる

カテゴリーエントリーポイントが多いほど、日常的にブランドや商品が想起される回数が増えるため、接触回数も増加します。

たとえばコンビニエンスストアは、「近くで買い物を済ませたい」「軽食を済ませたい」「公共料金やチケットの支払いを済ませたい」「ATMでお金を下ろしたい」など、幅広いカテゴリーエントリーポイントを持っているため、顧客との接触回数が多いのが特徴です。さらに、「お金を下ろすついでに、飲み物も買って行こう」など、購入のきっかけを増やすことも考えられます。

カテゴリーエントリーポイントを増やすことは接触回数の増加だけでなく、購入機会の増加も期待できるのです。

3.1つのカテゴリーで上位に上がらなくても、他のカテゴリーで挑戦できる

カテゴリーによっては、上位に想起されるブランドや商品が長年固定されており、上位を目指すことが難しい場合もあるでしょう。そういった場合、1つのカテゴリーに限定せず、まだ競合が目を付けていないであろうカテゴリーに挑戦すれば、上位を獲得できることもあります。

たとえば、「小腹を満たしたい」という想起があるとします。この場合、顧客の頭の中には、以下のような異なるカテゴリーや製品が想起されると予想できます。

  • スーパーの袋菓子
  • コンビニのホットスナック
  • ファーストフード店のポテト

カテゴリーの抽象度が高いと別カテゴリーの競合も参入するなど競争相手が増えるため、カテゴリー内での上位を狙うのが難しくなります。しかし、「ダイエットしている人向けの小腹を満たす食品」など、市場の範囲やターゲット層を変えることで、これまでとは異なる次元で競争できるようになります。ニッチなカテゴリーや新しいカテゴリーを発掘できれば、そのカテゴリー内で上位を確保することも期待できるでしょう。

つまり、ブランド競争では下位のブランドでも、別の競争次元を意識することで、別の次元で上位を狙える可能性があるのです。

カテゴリーエントリーポイントを増やすうえで注意すべき2つのポイント

カテゴリーエントリーポイントを増やすメリットがある一方で、注意すべき点も考えられます。自社商品のカテゴリーエントリーポイントを増やしたいとお考えの方は、以下2つに留意しておくとよいでしょう。

1.専門性が低くなる可能性がある

企業内で、カテゴリーエントリーポイントを増やすことを目指し、多様な方面へアプローチをしていくと、ブランドの軸がぶれることや、専門性が低くなる可能性があります。

場合によっては、専門性を高め、限られたカテゴリーで圧倒的に競合よりも認知度を得る、ターゲットを絞ったマーケティングが成功する例もあります。

「ターゲットを広げすぎた結果、誰にも刺さらなくなってしまった」とならないよう、ある程度顧客に想起されるきっかけを増やしつつ、やりすぎないように注意が必要です。

2.全体的なCVの見込みが低くなる可能性がある

カテゴリーエントリーポイントを増やすことを意識しても、それぞれのカテゴリーでの想起順位が上がらない場合、コストがかかるだけでなく全体的なCVの見込みが低くなる可能性もあります。

闇雲にカテゴリーを増やすのではなく、たとえば商品・サービスを利用した顧客の口コミからカテゴリーエントリーポイントとしてふさわしい提供価値を検討し、顧客の行動につながりやすいカテゴリーを模索していくことが大切です。

カテゴリーエントリーポイントの見つけ方

自社の商品やサービスのカテゴリーエントリーポイントが何なのかを知るには、以下のフレームワークを活用し、顧客の視点に立って考えることが重要です。

たとえば、「スナック菓子」で考えてみましょう。

◆カテゴリーエントリーポイントの見つけ方

Why
なぜ
  • 小腹を満たしたい
  • 手軽な価格
  • コンビニなどで買いやすい
Who
誰が
  • 購入者本人
  • 購入者の家族
  • 子供
  • 友人
When
いつ
  • 食後のおやつ
  • 仕事をするとき
  • 家でリラックスするとき
Where
どこで
  • 会社
  • 公園
What
なに、どんなシーンで
  • 1人で
  • 仲間と
  • 遊ぶとき
  • レジャー
  • 他人の家に訪問するとき
  • 休憩中
  • 帰宅後テレビを見ながら
How feeling
どんな気持ちか
  • おいしい
  • 嬉しい
  • なじみ深い
  • カロリーが気になる
  • パッケージがかわいい

このように5W1Hを軸に考えていくと、スナック菓子1つにしてもさまざまな購買背景があることがわかります。顧客が行動に至るまでの背景を把握してブランディングや広告作成を行うことで、購買機会の増加が見込めます。

GMO Askでは、自社商品・サービスの認知度がどの程度なのかを知るために、一定期間で行うブランディング施策に対して日次・月次など定期的に比較・推移の効果検証を行うブランド認知度調査を実施しています。競合よりも優先的に想起される特徴を持っているか、アンケートを通じて把握できます。

業界初のGoogle Forms®と連携したDIY型アンケートプラットフォーム

ブランド認知度調査は、カテゴリーエントリーポイント(CEP)の発見にも活用できる調査です。Google Forms®でアンケート画面の作成がお済みであれば、すぐに調査・アンケートを開始できます。

ブランド認知調査の実施は、GMO Askにお任せください。

カテゴリーエントリーポイントを有効活用するには

カテゴリーエントリーポイントを有効に活用できれば、企業の売上増加が期待できます。カテゴリーエントリーポイントを増やしていくにあたっては、以下の2つの点を意識して進めましょう。

1.幅広いカテゴリーを狙う

あるカテゴリーのなかで、常に上位にいるブランドが長く固定されていることもあります。

長い期間上位を維持している勢力を覆すのは、かなり難しいです。そのため、覆すことに時間を割くのではなく、新たな視点のカテゴリーを見つけて上位に上がることを目指すことも大切です。

2.カテゴリーの上位を目指す

強い企業やブランドほど、カテゴリーエントリーポイントを多く持っていると言われていますが、より多くの顧客に想起されるためには顧客の想起の入り口となるカテゴリーを多く持ち、カテゴリー内で想起の上位に入ることが重要です。なぜなら、何かを選択したり購入したりする際に想起される選択肢は、上位であればあるほど選ばれやすいからです。

たとえば、雨の日に子どもが遊べる場所を探すとしましょう。このとき、行き先として想起される選択肢は「雨に濡れない」「車で行ける」「身体を動かせる」など考えられますが、結果的に一番最初に想起されるブランドほど、多くの顧客を獲得できる可能性が高いです。

より多くのカテゴリーで想起されることも大切ですが、できるだけ上位に想起されれば、その分多くの顧客を獲得できます。カテゴリーの上位に入ることを意識しましょう。

まとめ|カテゴリーエントリーポイントを増やすことで、売上が増加する

カテゴリーエントリーポイントを増やすとは、「○○といえばこのブランド」と想起されるカテゴリーを増やすことです。顧客の生活の多くの場面で、自社商品やサービスが想起されれば、ターゲットの拡大や購入機会の増加による売上拡大が期待できます。

本記事では、カテゴリーエントリーポイントの概要やメリット、有効活用のポイントについて具体例を交えつつ解説しました。自社でカテゴリーエントリーポイントを増やす際の参考になれば幸いです。

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GMO Askは、2,500万人以上の国内TOPクラスのアンケートモニターが利用可能で、基本属性で絞り込んだアンケートが実施できます。

  • 自社ブランドが他社ブランドとどのような位置関係にあるのかを知りたい
  • 自社ブランドのイメージや認知度を知りたい

このような場合は、ぜひアンケート調査の実施をご検討ください。

よくある質問

Q1.カテゴリーエントリーポイントとは具体的に何ですか?
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、商品やサービスを購入しようと思ったときにブランドを想起するきっかけやヒントのことです。「缶コーヒー」を例にすると、「冬の寒い時期に温まりたい」「作業中の眠気を覚ましたい」などが該当します。

 

カテゴリーエントリーポイントについての詳しい説明は、「カテゴリーエントリーポイントとは」をご覧ください。

Q2.カテゴリーエントリーポイントを増やすメリットは何ですか?
カテゴリーエントリーポイントを増やすメリットは主に以下の3つです。

 

  1. 幅広い顧客をターゲットにできる
  2. 顧客との接触回数が増えるため、購入機会を増やせる
  3. 1つのカテゴリーで上位に上がらなくても、他のカテゴリーで挑戦できる

各メリットの詳しい説明は、「カテゴリーエントリーポイントを増やす3つのメリット」をご覧ください。

Q3.カテゴリーエントリーポイントの増やし方は?
カテゴリーエントリーポイントを増やすには、ユーザーの視点に立って考えることが重要です。
たとえば、「なぜ」「誰が」「いつ」「どこで」「どんなシーンで」「どんな気持ちで」という項目について、ユーザーの視点で考えることで、さまざまな購買背景がわかります。関連するキーワードをもとに、カテゴリーエントリーポイントを考え、競合より早く想起されるためのマーケティングやコミュニケーションを行いましょう。

 

詳しい説明は、「カテゴリーエントリーポイントの見つけ方」をご覧ください。

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